南支戦線フィルム デジタルアーカイブ
母方の祖父宅から発見したフィルム原版をデジタル化し, デジタルアーカイブとしてここに公開します。
祖父やその兄弟および曾祖父に従軍経験者はおらず, フィルムの出自は不明です。祖父も3年前に他界しており, 詳細を聞くことは叶いません。
祖父方の家系では高祖父のみ従軍しており(日露~韓国併合あたりまで?), 最終階級は特務曹長だったとのこと。(本人は乃木大将の鞄持ちだったと触れ回っていたようですが, 真偽のほどは不明)
今回のフィルムと共にタンスに保管してあった階級章や記念章, 勲章などは別記事にまとめます。
本題のフィルムに戻りますが, カビの生えたフィルムがあるなど保存状態は良いものとは言えず, 専用のスキャナー等は使用しておらず手作業で撮影⇒トリミングしており画質は低いですのでご了承ください。
(後日きちんとしたスキャン方法や機材が揃いましたら更新するつもりではいます。)
注:フィルムの時系列はバラバラで整理できておりません
写真の部隊は詳細不明ですが輜重部隊ではないかと思います。撮影場所は香港~増城県(広州)あたりだと推測しております。
詳細ご存じの方がおられましたらコメントなどでご教授いただけますと幸いです。
このフィルムと直接関係無いことですが, 先日ファインモールドより1/35の軍馬輸送隊セットと野戦炊事セットが発表され, 輜重部隊への注目が集まっていますね。
数は少ないですが, このフィルムが歴史, 戦史研究の一助となるだけでなく, モデラー各位が輜重部隊のジオラマを製作する際の参考になれば幸いです.
1/350 ゆきかぜ製作記(3Dプリント)
こんにちは!
今回は地球防衛軍 突撃駆逐艦ゆきかぜを作ったので紹介していきます。
冒頭の冥王星沖会戦やタイタンに沈む姿など, 出番は多くありませんでしたが, 印象的な船です。ヤマトを除くとシリーズを通して一番好きな船です。
バンダイからは旧メカコレ(古代艦)と2199版メカコレおよび1/1000セットが出ており, またファインモールド(以下FM社)からは松本零士ユニバースシリーズで地球連邦軍ミサイル護衛艦として1/500が出ておりました。(7/2現在, 残念ながらFM社のホームページからは削除されてしまっています)
形状やディテールは各製品異なっていますが, 個人的にはFM社のゆきかぜが最も自分の中の理想のゆきかぜに近いです。ただし, 艦橋窓の形状は平たく広い旧メカコレ版が好きでした。ディテールに関しては2199版の方が緻密な考証設定がなされていて模型の密度も高いです。しかし2199版は船体が角ばっており, やはり旧作準拠の方が曲線が美しいと感じます。
というわけで旧作準拠の大きなゆきかぜが欲しかったわけですが, 権利の問題でFM社から新作キットが出ることはまず無いでしょうし, バンダイも2205登場メカの新作を全く出さない今, 今更1/350でゆきかぜは出さないでしょう。
メーカーからの供給が無いときは, 自分で供給して自分の需要を満たすのみです。これぞ地産地消です。
というわけで, 小学生の頃に購入したFM社キットの塗装指示図(上面図, 側面図)を参考にCADでデータを作成しました。元が(媒体にもよりますが)全長80mほどの船なので, 1/350でも24センチほどとたいして大きくはないです。
パーツ構成は, 艦首上下, 中央部(砲塔直下), 艦尾上下, エンジンコーン, 艦橋窓, 砲塔x2, 増槽x2の11パーツ構成としました。艦尾の十字翼は船体と一体で出力しました。(今回右水平翼に反りが出てしまいました。別パーツにすればよかった…)
3Dプリンタのプラットフォームサイズの都合で, これらを2回に分けて印刷しました。印刷時間は計20時間。(使用機材はElegoo Mars 3 Pro)
反り矯正のためのΦ4mm真鍮棒を船体に通して組み立てました。今回は乾燥, 二次硬化時に反りは出ていなかったのですがそのまま入れました。重量感が出て良いです。
瞬間接着剤で接着し, パテで隙間を埋めました。以前の失敗を踏まえ, パネルライン≠パーツ分割です。水洗いレジンが反りやすく, 接合面での隙間埋めが必ず生じ, パネルラインを彫り直すのは手間なので。(そもそも真っ直ぐ彫れない…)
手持ちにクリアレジンが無く, 艦橋窓は塗装で済ませましたが, 艦橋内部も一応作り込んでいるので, いずれ透明部品に置き換えて1/350人形も配置したいと思います。
塗装に関しては, ①ガイアノーツのマルチプライマーを吹いた後, ②ブラックサーフェイサーで黒立ち上げ⇒白塗装, ③本塗装を行いました。
・マルチプライマー
https://www.yodobashi.com/product/100000001007623492/
・使用色
クレオス
c4 イエロー(黄)
c68 モンザレッド
c73 エアクラフトグレー
タミヤエナメル x-14 スカイブルー(艦橋窓用)
下地の影響か半光沢な仕上がりになったので, 今回はトップコートは見送っています。後日「17 ゆきかぜ」の白デカールを作成した際に吹くと思います。
というわけで真鍮パイプで百均ケースの台座と接続し, ひとまずはこれで完成としました。
FDMプリンタで適当な銘板をこしらえました。やはり光造形で出した方が文字がきちんと出ます。
光造形3Dプリンタで印刷したもので初めて形になりました。データも一から作ってみると楽しいですね。1/350の沖田艦も製作中なので, 早く完成させて並べたいです。
閲覧いただきありがとうございました。
3Dスキャンでミリタリーフィギュアを作る (その1)
初投稿で拙い文章, 写真ですがどうぞよろしくお願いします。
はじめに
近年, プラモメーカー各社で3Dスキャンによるフィギュアが台頭しており, また3Dプリ
ンタの普及もあり個人で3Dスキャンによるレジンフィギュアキットの製作, 販売をされている方々もおられます。
フィギュアを自作できれば, ジオラマやヴィネットの表現の幅が広がることでしょう。
市販の1/35フィギュアは米兵やドイツ兵が大半で, 他の国は複数種類を集めること自体が難しいですね。英仏伊や国民党軍兵士なんてほとんど見かけませんし(自分が探してないだけかもしれませんが), 日本兵もやはり少ないですね。また, 国別だけでなく兵科においても差は顕著です。歩兵や戦車兵(AFVモデルの花形は戦車ですからね), 砲兵が中心で, 騎兵や輜重兵その他兵科は稀です。
これらは単純に需要がないからですね。日本陸軍輜重輸卒セットなんてインジェクションキットを製品化したところで金型費用は回収できませんから…。
筆者もフィギュアの工面には苦労してきました。タミヤの日本陸軍歩兵セットをいくつも買っては切り貼りしたり…。あのキットは顔の彫が深くて模型映えするので大好きなのですが, やはり物足りなくなります。幸い数年前に将校セットが出ましたが, 些か背が高いかなと(実寸換算すると180数センチ)。それでも同社の古いキットよりは小ぶりですが。
やはり自分の欲しいフィギュアを作りたい...(ポーズ, 年代や季節, 階級, 兵科に沿った装備)
Blenderなどの3Dモデリングソフトを勉強してゼロからモデルを作ろうともしましたが, InventorやCATIAとは勝手が違うため全く身につかず…
そこで, 3Dスキャンで基本となるモデルを生成し, Blenderで微修正する手法をとることに。
1. 3Dスキャン
3Dスキャナーは筆者が所属する研究室でRevopoint社のPOPというスキャナーを所有していたため, 使用した経験がありました。現在は後継のPOP2やPOP miniが出ています。
・Revopoint社HP
・amazon販売ページ:Revopoint POP2
昨年度筆者が修士課程を修了する際, 卒業生からの記念品として, 卒業生のスキャンフィギュアを指導教員へ送るというアイディアが出ました。歴代卒業生フィギュアコレクションが教授室に並ぶのを想像するとなんだかシュールです。しかし, 残念ながらそれは叶いませんでした。理由はPOPのスキャン範囲によるものだと考えました。
この3Dスキャナーでは取得した点群から特徴点を検出して, 前のフレームの点群の特徴点と一致するように合成します。これを繰り返すことでスキャン対象全体の表面の点群データを取得しています。しかしながらスキャン範囲が小さい場合, スキャナーの移動や手振れの影響で特徴点を見失いやすく, きれいにスキャンすることが難しくなります。
加えて, 赤外線3Dスキャナーでは黒いものが苦手で, 透明や鏡面のものはスキャンできないようです。塗装したりベビーパウダー等をまぶしたりで対処できるらしいですが, まだ試していません。
他にも写真から3Dモデルを作成するソフトもいくつか試してみましたがどれも上手くいかず…, しかし諦めたらそこで試合終了らしいのでスキャン範囲の大きなスキャナーを探すことに。
2. Revopoint Range
丁度Revopointから新しいスキャナーが発表されていました。
・Revopoint Range
RANGE 3Dスキャナーwww.revopoint3d.jp
人や車といった大きなもののスキャン向けということで, スキャン範囲が従来の210 x 130[mm]から360 x 650[mm]へと拡大されています。さらにプレミアムセットでは耐荷重200[kg]のターンテーブルが付属します。
今年の4/28?までcampfireというクラウドファンディングサイトで先行販売がされていたので, 早速購入しました。サイトの手数料込みで12万円弱でした。
5月中旬に届きました。かなりデカいです。置き場と撮影場所を確保するために頑張って片づけました(現在はまた散らかってます)。大きいとはいえその大半は大型のターンテーブルです。
Range本体
測距儀のような形をしていて, 同社の他のスキャナーより長いです。だいたい1/1000ヤマト2202ぐらいです。中央の四角い穴が赤外線ライトで左右のカメラで距離を測ります。向かって右側の小さい方のカメラがRGBセンサだと思います。
三脚, バッテリー, スマホホルダー, 背景用の黒シートとマーカーが付属しています。バッテリー及びスマホホルダーは三脚と結合可能です。それとターンテーブルです。
スキャンのソフトウェアはRevo Scan 5で, RevopointのHPからダウンロードします。
PCだけでなくIOS/Android用のアプリも用意されており, スマホと接続してスキャン可能です。
スマホを使う場合, スマホホルダーに嵌めることで画面を見ながら片手でスキャンできるようです。(そのためのバッテリー)
ただし, 点群取得のスキャンfpsは下がるようです。(要検証)
一方のノートPCでは最大fps出せるようですが, 右手にスキャナーを左手にノートPCを抱えなければならず, PC画面を確認しながらスキャナーを動かすのはなかなか難しいです。
筆者はスマホがホルダーに入らなかったのでノートPCと接続してスキャンしています。
今をときめくBalmudaフォンは中央部に厚みがあるので一般的なスマホホルダーには入りません(事業撤退もやむなし)
3. 3Dスキャンモデルの作成
早速スキャンしてみました。装備を父親に着せターンテーブルの上に立たせてスキャン。今回は尉官外套を羽織った将校装備でいきます。(スキャン風景は撮影忘れてました)
頭から足元へ, ターンテーブルが一周するごとにスキャナーを下げながら撮影していきます。途中で腰が痛くなったので腰あたりで分割して後で合成しました。下は点群からサーフェスを生成したものです。
RGBセンサがついているので, データには色も含まれています。分割した箇所で色味が変わっていますが, 形状自体に影響はないです。
モデルの精度を高めるために, スキャン結果が怪しかった背嚢, 図嚢および編上靴を個別にスキャンして合成しました。
これらを合成したものを最終的なスキャンデータとしました。
残念ながら軍刀はうまくスキャンできませんでした。別撮りでも同様です。
細いからなのか表面が剥げて漆がむき出しだからなのか, 原因はよくわかっていません。
撮影範囲外だった頭頂部や黒くてスキャンできなかった後頭部など穴が開いている箇所があります。これらはRevo Scan 5の機能で自動的に埋めてもらえます。
メッシュ化したこのデータをobjファイルとして出力します。
Revo Scan 5から吐き出したデータをそのまま印刷することも可能ですが, 表面はかなり荒いため修正が必要です。
次に, Blenderでモデルの修正を行いました。
スキャンしたオリジナルのメッシュデータではメッシュのサイズがまちまちなので, リメッシュをかけます。
ボクセルサイズを設定して均一なサイズのメッシュを生成します。値が小さいほど精度は高いですが, あまり小さくしすぎるとフリーズします。
リメッシュしたらスカルプトモードで表面の平滑化, 形状のおかしな部分の修正やモールドの彫直しといった作業を行いました。特にゲートルはそのままだと塗装した際に埋まってしまいそうだったので彫を深くしています。
モデルの修正が完了したら, stlファイルに出力してスライサーソフトにぶち込むのですが, その前に無くなっていた軍刀を持たせてあげます。
今回はCADソフトで適当に作って持たせました。
4. フィギュアの出力
モデルのstlファイルをスライサーソフトのchituboxで読み込み, サポートを付けていざ印刷です。プリンタはElegoo Mars 3 Pro, レジンはSK本舗製水洗いレジン肌色です。
・Elegoo Mars 3 Pro
・SK本舗 水洗いレジン 肌色
サポートから切り離して水洗いの後, 丸一日自然乾燥させます。
洗浄, 乾燥後のモデルがこれ
手の形状など怪しいところもありますが, 顔はよく造形されています(写真では伝わらないと思いますが)。父親そっくりです。
息子の教育を誤ると軍装を着せられてフィギュア化されてしまいます。気を付けないといけませんね。
フィギュアの塗装は得意ではないのですが, ちゃんと塗装してみました。
なかなか良い感じ。
1体作ってみて勝手がわかったので, 今後は立像ではなくて射撃姿勢なり匍匐なり作ってみたいですね。(飯盒で飯を頬張る兵とか)
今回は実物および複製品でスキャンして作りましたが, 装備を持ってなくてもそれらしい服装でスキャンして, 襟や物入れの形状の修正やCAD等で作った装備のデータを付ける等しても作ることができそうです。